虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 出来損ないだとふたりの前で晒す羽目になったことより、期待を裏切ったようで泣きそうになる。

 人間に姿を変えたルブが、髪飾りを手にうつむいたアルトリシアの手を包み込んだ。

「あのさ、兄貴。これってもしかして……」

「って、俺は最初っから言ってるけどな」

 サフィが起き上がり、伸びをして尾を揺らす。いつものアルトリシアならばふわふわの尾を追いかけて遊ぶが、今日はそちらを見ようともしない。

「アルティ、もう一回やってみないか?」

 ルブに言われるも、アルトリシアは首を横に振って拒む。

「できないよ……」

「ほかの奴と同じやり方なのが悪いんだ。だから、次は違うやり方でやろう」

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