虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
「アルティはすごいよ。こんな優しい力、誰も持ってない」

「優しい?」

「だって、無理矢理力を引き出して従わせるような真似はできないんだろ? いくら硬度の低い奴らでも、そんなのはつらいよ。でもお前は想いを込めてくれる」

 まだ火花を散らし続ける石に、ルブがそっと触れた。

「兄貴もそうやって直してくれたんだな」

 温かな声がアルトリシアの胸に染み込む。

 廃鉱を逃げ回っているときには欠けた石を直したいなどと思っていなかった。ただ助かりたいという思いをひたすらに――込めただけだ。

「私……ちゃんと魔石を扱えるの?」

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