虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 ルブは笑みを浮かべたままうなずいた。アルトリシアの目に薄い水の膜が張る。

「出来損ないじゃない……?」

「アルティは特別な女の子だ。俺が保証する」

「俺はずっとそう思ってたぜ?」

 サフィもまた、ルブの言葉を引き継いで同意した。

 アルトリシアは手で目もとを擦ると、ふたりに向かってにっこりと笑顔を見せる。

「私にもやれることがあるんだね。教えてくれてありがとう」

 これまでアルトリシアは、役立たずだ出来損ないだと言われ続け、自分に生きている価値はあるのかと思うほど追い詰められていた。

 それでも生きたいと廃鉱でもがき、奇跡を掴み取った結果がこれだ。

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