虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 ひくり、と小さな喉が鳴る。

 笑顔を崩し、声を上げて泣き出したアルトリシアを、ふたりは優しく慰めた。



 「いっつもふたりの前で泣いてる気がする」

 赤くなった目を手で隠しながら、アルトリシアは照れたように言った。

「俺サマが泣かせたわけじゃねェからどうでもいい」

 人の姿を取ったサフィが椅子の上で足を組みながら答える。ルブも兄に同意するように首を縦に振った。

「こんなに泣き虫じゃないんだよ。ほんとだからね」

「照れなくてもいいだろ、別に。俺はアルティが泣いてくれてうれしいよ」

「どうして?」

「俺たちの前でなら泣いてもいいって思ってくれてるんだろ?」

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