私の知らない恋の話。
そこまでして私を引き止めたいか。
ちょっとめんどくさい。


私は無理やりこの男を宥めて、日中2人でゲームをし続け機嫌を取るも、夕方になって準備を始めると、やっぱり駄々をこねられた。
無理やり、それを剥がして部屋に籠る。


別に真面目に彼氏作りに行くわけじゃないからちょっとイタイ女を演出するくらいの方がいいだろうか。
……露出、高めだなぁ。


赤のワンショルダーに、黒デニムのミニスカート、夜帰って来る時に寒いとアレだから、グレーチェックのシャツを羽織った。
軽くメイクをして部屋を出ると、待ち構えているもえが。


「……本当に行くの?」
「何がそんなやなの」
「……別に」


素直に言わないなら知らないし。
こっちは短気。
もえのことかまってたら遅刻ギリギリだし。
かまってられない。


「……どこで食べるの?」
「駅前のご飯屋さん」
「帰り、迎え行く」
「いいよ別に」
「暗くなってから1人で歩くの危ない……」
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