溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
悠里との関係に関してもそうだ。本当は愛しくてたまらなくて、大切にしたいと日々思っている。
なのに言葉で伝えるより先に、一緒にいるだけで自制が効かなくなり、十歳も年下の彼女を余裕なく求めてしまう。まるで盛りのついた獣だ。
それでも、俺は今夜も彼女を抱く。桐ケ谷家のため、子どもを望んでいる悠里のため、そしてなにより、単純に俺が彼女を愛したいから。
俺が人知れずそう決意している間、両親や玄心たちは結婚式の話に移っていた。
現在妊活中なら、式や披露宴は安定期にするか、それとも子どもが生まれて落ち着いてからか、会場はどこにするか、誰を招くか。
そういった計画をあれこれ話して盛り上がっている。
悠里がいつ妊娠するかは誰にもわからないので、時期はおいおい決めればいいと思うが、彼女のウエディングドレス姿は絶対に見たい。ということは、教会式の厳かな挙式がいいだろう。
俺は会話に加わらずひとりそんな妄想を膨らませ、満ちたりた気持ちになった。