溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
家族との会食が終わって帰宅するや否や、俺の頭の中は悠里一色になった。
あのワンピース、どう脱がせようか、今夜はどんな手順で悠里を啼かせようか。
玄関のオートロックが背後で閉まる音を聞いただけで自制心を失った俺は、先に廊下を歩いていた彼女を壁に押し付け、キスを迫った。
しかし、いつもならどんなに強引なキスでも従順に応じてくれる悠里が、なぜかその時はぷいと顔を背け、キスから逃れるそぶりをした。
「維心さん、あの」
「ん?」
なにか言いたげな彼女に気付き、壁に縫い付けていた彼女の両手首を開放する。悠里は困ったように眉尻を下げ、上目遣いに俺を見て言った。
「今夜は、できないんです……。さっきお食事中に〝月のもの〟がきてしまいまして」
月のもの。その意味を瞬時に理解した俺はハッと理性を取り戻し、悠里の頬に手を添えた。
「そうだったのか。体の具合は? 気遣ってやれずにすまなかった」
「大丈夫です。少しお腹が痛いですが、いつものことなので」