溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
急に上機嫌になってパタパタと自室に向かう彼女をぽかんとしながら見送り、俺も風呂の準備のため寝室へ向かった。
クローゼットを開けて部屋着を手に取ると、今さらのように穏やかな幸せがじわじわ胸に広がる。
俺との旅行をあんなに喜んでくれるなんて……。そういう、年下らしい無邪気なかわいらしさも彼女の魅力のひとつだ。旅行中も、ころころ変わる表情で俺を楽しませてくれるのだろうな。
しかし、いくらかわいい姿を見せられても、ベッドで彼女に触れられない夜を過ごさなければならない。よく考えたら今夜だって……。
ダメだ、耐えられる気がしない。
なにか対策を講じなければと思った俺は、一旦着替えるのをやめて悠里の部屋に向かった。
ドアを開けた悠里は「どうしたんですか?」とキョトンとする。彼女の肩越しに見える室内にはキャリーケースが開いて置いてあり、さっそく旅の準備をしていたようだ。
「実は、頼みがあって来た。今夜と、それに旅行中。いや、悠里の生理が明けるまでの間は……別々のベッドで寝てもらえないだろうか」