溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 悠里は瞠目し、戸惑ったように瞳を揺らした。

 一緒に眠りたいのは山々だが、隣に悠里がいたら触れたくなる。触れたら、欲しくなる。

 しかし、今の悠里にとってはそんなふうに発情されても迷惑なだけだろう。

「子作り……できない、からですか?」

 悠里が遠慮がちにそう尋ねてくる。どうやら彼女に思考を読まれたらしい。

 なんともきまり悪いが、悠里を大切にしたいが故だ。わかってほしい。

「ああ。お互いにとって、それが一番いいだろう?」

 俺がそう言った瞬間、悠里の眉が一瞬だけ曇った気がした。しかし次の瞬間彼女はもう笑っていたので、気のせいだったのだと思うことにする。

「そう……ですね。私、だいたい七日間で終わるので、そしたらまた頑張りましょう。妊活」
「そうだな」

 小さなガッツポーズを作って明るく言った彼女に微笑みかけると、俺は寝室に戻って今度こそ着替えを再開した。着ていたシャツを脱ぎ、頭から部屋着のTシャツをかぶってふう、と息をつく。

 それから、なにげなく背後にあるベッドを振り返った。

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