溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「明日から一泊だけでも、行くか? 軽井沢」
「えっ?」
「楽しみにしていただろう。どうする? 俺はどちらでも――」
「い、行きます! 絶対に行きます!」
まさか、もう一度誘ってもらえるなんて思ってもみなかった。つい興奮して返事をした私を、維心さんがクスクスと笑う。ああ、失敗。子どもっぽいと思われたかな。
「じゃあ、決まりだな」
「はい、是非。……でもひとつだけ」
その時、到着したエレベーターの扉が開いたので、一旦会話が途切れてふたりで乗り込む。維心さんは最上階のボタンを押した後、斜め後ろに立つ私を振り返った。
「ひとつだけ、の続きは?」
どうしよう。昨日ずっと優しく看病されていたせいか、私、ちょっと積極的になろうとしてる。いつも飲み込んでいた本音をぶつけてみたいって思ってる。
きゅ、と唇を噛んで覚悟を決めた私は、維心さんを見上げて告げる。
「ひとつだけ、お願いがあります。軽井沢で過ごす夜だけでいいので……同じベッドに入れてもらえませんか?」