溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
キッチンをのぞいたら、管理人さんが用意してくれたのであろう立派なティーセットとダージリンの茶葉の缶、角砂糖とポーションミルク一式が花柄のトレーに置いてあった。
維心さんが下りてくるまでにお茶を淹れておこうかな。棚からやかんを探し、お湯を沸かした。
茶葉を入れたポットに沸騰した湯を注ぎ、すぐに蓋をして蒸らす。二分半ほど経ったら軽く中をかき混ぜ、綺麗な黄金色になった紅茶を、真っ白なティーカップに注いだ。
ちょうどその時、ドアが開いて維心さんがやってくる。
「紅茶を入れてくれたのか。ありがとう。いい香りがするな」
「お砂糖とミルクはいりますか?」
「いや、ストレートでいい」
おいしそうな紅茶なので私もそのまま飲もうと決め、角砂糖とミルクはトレーからおろし、ダイニングテーブルに紅茶を運んだ。
維心さんの向かいに座って、カップに口をつける。香り高い味わいにうっとりしつつ窓の外を眺め、しみじみと寛いだ気持ちになる。