溺愛まみれの子づくり婚～独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします～

「ス、スマホ鳴りましたよ」
「ああ。しかし悠里の話は？」
「いえ、やっぱり後にしようかな……って」
「いいのか？」

　私が頷くと、維心さんは胸ポケットのスマホを取り出して通知を確認する。

　なにげなくその姿を見つめていたら、私はいくつか溜まった通知の一番上に表示されているメッセージの差出人が【美久】であることに気づいてしまった。

　心臓がさっきまでとは違う、重たく嫌な音を奏でる。

　維心さんは、美久さんという女性と電話だけでなくメッセージのやり取りもしているの？　いったい、どんな内容を？

　見ちゃいけないと思うのに、すぐ隣で維心さんがまさに彼女のメッセージの通知をタップし、トーク画面を表示する、その一部始終を目で追ってしまう。彼自身、隠すそぶりもない。

　別に、私に見られても構わない内容ってこと……？　せめてもの救いのつもりでそんなことを思いつつ、おそるおそる画面に焦点を合わせた。