溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
私の仕事はだいたいが繰り返しの単純作業。だからこそ、気を抜くとつい週末の維心さんの出張が頭に浮かんでしまい、落ち込んで手が止まる。
そんなことを幾度か繰り返しているうちに、お昼の時間になった。
食欲、わかないな……。このまま仕事していようかな。
腕時計を一瞥し、ぼんやりそう思っていた時だ。トントン、と誰かに肩を叩かれたので振り返る。
「早坂、昼飯、外で一緒にどう?」
そこにいたのは、コンビニのレジ袋を片手に掲げた元木くん。公園かどこかで一緒に食べようという意味らしい。
外は暑そうだけれど、なんとなく気晴らしになりそうかも。私はそう思って頷いた。
「わ~、ここだけなんか涼しいね」
「だろ? 営業回ってるときに見つけたんだ。俺の穴場」
元木くんが連れてきてくれたのは、川沿いに整備された公園だった。川に臨むベンチは木陰になっていて、水辺から吹いてくる風は生ぬるいものの、それなりに心地いい。
ふたりでベンチに座り、間に置いたレジ袋を元木くんがガサガサあさる。