溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 ゲームソフトの箱や二次元イケメンたちのグッズで雑然としつつも、なぜか落ち着く彼女の部屋で、私は維心さんとの切ない結婚生活や、美久さんのことについて明かした。

「なるほどね~。現実はゲームみたいにうまくいかないってか」
「うん……。男の人って、きっと器用に体と心が切り離せるんだよね」

 話しながら、コンビニで買い込んだお菓子やおつまみを食べて、缶チューハイを傾ける。

 家では私も維心さんもお酒を飲む習慣がないし、妊活のためには飲まない方がいいのかなとも思っていたけれど、今日くらいは解禁だ。

「三次元の男を知らない私の意見なんて役に立つかわかんないけど……。私は悠里の友だちだから、なんで正妻である悠里のほうが、そんな不倫相手みたいになにもかも我慢しなきゃなんないのって、理不尽に思うよ」
「不倫相手……」

 強烈なワードにショックを受ける。しかし、確かに的を得ている。

 私が我慢していることって、まるで、既婚者男性に恋している女性が、〝クリスマス一緒に過ごしたいなんてワガママは言わないようにしよう〟とか、〝奥さんのことはあえて聞かないでいよう〟とか思うのと似ている。

 奥さんは私の方なのに……おかしいかな、やっぱり。

< 149 / 240 >

この作品をシェア

pagetop