溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 お見舞いの品には焼き菓子セットまでもらってしまい、そちらもかなりうれしかった。

 なにせトイレ以外の移動は許されていないので、院内のコンビニにも行けず、甘いものに飢えていたのだ。もちろん、妊娠糖尿病には気をつけないといけないけれど。

 佳代が動けない私に代わって彼らの椅子を用意してくれ、三人は佳代とは反対側のベッドのそばに座る。

 私は慌ててイケメンドクターのCDを布団の中に隠した。

「すげぇなこの病室。さすがセレブの妻」
「芸能人とか政治家が入りそうな部屋っすよね」

 見慣れない特別個室に、二課のふたりは興奮気味でキョロキョロしている。課長がそんなふたりを窘めてから、心苦しそうに言う。

「今日は部長、もうしばらく会議に時間がかかるそうなんだ。だから、代わりと言っちゃなんだが俺たち三人でお見舞いに行こうって話になってな。入院って聞いてずっと心配してたんだが、顔色はよさそうだな」
「はい、おかげさまで。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」
「なにを言うんだ。みんな、早坂が元気な子を産めるように、応援してる。落ち着いたら、赤ちゃんの顔を見せに来てくれよ」
「ありがとうございます……」

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