溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
維心さんって、私の知らないところでたくさん私を想ってくれていたんだな。
最近は惜しげもなく愛を囁く彼だけど今回の話は初耳だったので、彼の気持ちが覗けたようでうれしい。
「しかし今日は本当に、悠里の明るい顔が見られて安心したよ。お見舞いに来てくれたみんなのおかげだな。元木にも感謝しなければ」
「そうですね。でもやっぱり、一番心待ちにしているのは維心さんが会いに来てくれることです。維心さんはお仕事もあるし、早く休んで欲しい気持ちもあるんですけど……面会時間が終わる時、いつも名残惜しくて」
「俺も同じ気持ちだ。ひとりのマンションに帰るのが、本当に虚しくてつらい」
維心さんは話しながら私の耳の脇に手を差し入れ、そっと顔を引き寄せて口づけをする。
キスなんかしたら離れがたくなるのがわかっているのに……私は彼の背中に手を回し、自分からも唇を寄せる。
「ん、っ……」
リップ音に濡れた音が交じり、室内に甘いため息が充満する。もっと、もっとというように唇を重ね、時には舌を吸われて、頭の中が蕩けていく感覚に酔う。
「そんな気持ちよさそうな顔をして。歯止めがきかなくなったらどうする」