溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
維心さんの行きつけということは、高額な商品ばかりが揃う店だろう。そこで服を選んでもらうなんて、気後れしてしまう。
だからといって、セレブな彼の家族の前で適当な服を着るわけにもいかないし……ここは彼についていくしかないか。
腹をくくって、維心さんの運転する車に揺られ、目的の店へ向かう。
その途中、ふと赤信号で車が止まり、こちらを向いた維心さんが真顔で私に問いかけた。
「ところでもういいのか? 体の方は」
そのセリフで、せっかく仕事をして忘れていた昨夜のめくるめく濃厚なシーンが脳裏に蘇り、ドキッと鼓動が跳ねた。
「は、はい。お陰様で……もう、大丈夫です」
大丈夫だから、この話題はもうやめてほしい。今夜の維心さんは私をどうするつもりなのかを意識して、平常心でいられなくなる。
「それなら」
赤くなっているであろう顔を隠すように俯いていたら、太股の上に置かれた私の手に、維心さんの大きな手が重なる。
彼はそのままギュッと私の手を握り、しっとりとした低い声で私に問いかける。
「今夜も、きみを抱く。いいな?」