溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 どういう意味だろう。俺は一瞬困惑した。

 もしや、体目当てだと思われているのだろうか。それとも、これは彼女からのさりげない誘惑?

 どちらにしろ、否定するわけにはいかない。求婚したのは悠里のすべてが欲しいからで、そこには体も含まれている。ひとつ屋根の下で暮らし、手を出さずにいられるわけもない。

 今だって、この狭い密室の中にふたりきりというシチュエーションに負け、このまま書架に彼女の体を押しつけてなにもかも奪いたい欲求を、必死の思いで堪えているのだ。

『欲しい』

 わずかな間にあらゆる思いを巡らせた俺は、ひと言そう告げる。しかしそれだけではさすがに言葉が足りないだろうと、この胸に滾る熱い想いを続けて伝える。

『今すぐにでも、きみとの子が欲しい。すぐに入籍して一緒に住み始めて、妊活に入ろう。それまでに、少し体力をつけておいてくれ』

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