溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

〝きみを抱きたい〟と直接口にするのは憚られたため、婉曲表現として『きみとの子が欲しい』と口にしたに過ぎないのだが、のちになかなか便利な言葉だと気がついた。

 十歳も年上の男に『毎晩抱かせてくれ』と言われたら、なんて余裕のないヤツだと悠里は思うだろう。

 しかし子作りという、夫婦としての正当な理由があれば、俺は大人げない欲情まみれの本音をごまかすことができる。

 というわけで、俺は『子作り』『妊活』というワードを多用し、悠里を抱くための権利を堂々と得ているわけである。

 新婚初夜は、彼女が俺の体力についてこれるのか不安だったため、精のつく料理でもてなした。

 結局その日はベッドを共にすることは叶わなかったが、翌日とうとう初めての夜を迎える。

 悠里は緊張しながらも俺の欲求に素直に応じてくれ、行為の最中に『好きだ』と言ってほしいなど、かわいいリクエストをする積極性もあった。

 そんな彼女がたまらなく愛おしく、翌日も俺は彼女を求めた。カレーが出来上がる間すら待てず、キッチンで一回。眠る前にベッドでもう一回。

 それでようやく満足し、眠りにつくことができるのだった。

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