意地悪な副社長との素直な恋の始め方


「そうよ。あんなイケメンに口説かれるなんて、羨ましいったら。うちの旦那、やっぱりダイエットさせようかしら。イケメンには程遠くとも、痩せれば、多少は昔の面影を取り戻すかもしれないし」

「あら。それなら、わたしが飲んでるサプリメントがオススメよ」


そこから、シゲオと花夜さんはダイエット話で盛り上がった。

成功談、失敗談、タメになったり笑えたりとバラエティ豊かなダイエット法に感心しているうちに、一階へ到着。

セキュリティーカードを返そうと立ち寄った受付にはサヤちゃんがいて、あるものを手渡され、「またね! 偲月ちゃん」とハグ付きのフレンドリーなお見送りを受けた。


「何かしら? 甘い匂いがするから、お菓子?」


車に乗り込んで、シゲオと一緒に覗き込んだ白い紙袋の中には、淡い桜色の箱が一つ。


「かな? あ、リボン、『SAKURA』のだ」

「ほんとね」


慎重にピンクと赤のリボンを解き、蓋を開ければ七色のマカロンがずらりと並んでいる。
マカロンには、応接室で食べたものと同じ絵と文字が刻まれていた。


「わーお。三、四日はもちそうね?」

「う、うん」

「しかも、カードあり? 何て書いてあるの?」


白地に桜の花が散る名刺サイズのカード。
そこに記されていたのは、甘い愛の言葉……ではなく。


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