意地悪な副社長との素直な恋の始め方


カメラを仕事にしている偲月は、娘の成長記録として毎日写真を撮っていた。
フィルムカメラでは膨大な量をプリントしなくてはならないので、デジカメを使っている。

タブレットで見る生まれて間もない頃からの数々の写真は、驚くほどのスピードで千陽が成長していることを示していた。

ありのままを撮っているだけだと言うが、ハッとするような一瞬を捉えるのはさすがプロだ。


「指差しをするようになったんだな?」

「うん。それに、最近ただ音を出すんじゃなくて、何かしゃべりたそうにしてるんだよねー」


ぜひとも、最初に言葉を話す瞬間に立ち会いたいが、それこそ四六時中一緒にいなくては無理だろう。


「毎日毎日、気がついたら朝になってるみたいな感じで、あっという間に過ぎてくけど……こうして見ると着々と成長しているってわかるよね」

「ああ。子どもの一か月は、大人の一か月とは進み方がまったくちがう」

「大人になると、あっという間に一年経っちゃうのに……」

「そうだな。誕生日、おめでとう。偲月」


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