子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 彼はドアの鍵を閉めることもせず、私を見て目を丸くしていた。

「なんだ、その格好」

「今日、買い物に行ったんです。それで……」

 どう説明しようかと思っていると、保名さんの顔がくっと歪められた。

「無駄な服を買うためにカードを渡したわけじゃない。浪費癖も本当の話だったんだな。これまで使わなかったのは、欲しいものが見つからなかったからか。まあ、どっちでもいい。カードは返せ」

 いつもの彼より、喋る速度が速い。私に口を挟ませたくないと思うほど怒っているようだ。

「服……だめ、でしたか」

「なんのためにそんな服を買ったのかは気になるところだな」

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