子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「うちの両親は俺たちと同じく政略結婚だった。仲睦まじい夫婦を演じてるが、実際は違う。あのふたりには公認の愛人がそれぞれいるからな」

「……え。でも、そんな話は一度も……」

「当然だろ。こんな醜聞、他家の人間に知らせてたまるか」

 そうは言っても、付き合いのある家々や親戚たちは薄々察している。

 両親がふたりで行動するのは、パーティーの正体を受けた時や、仕事で必要な時だけ。長期の休みがかぶろうと、ふたりでは過ごさない。

「俺が愛人の件を知ったのは五歳の時だった」

 どうして彼女にこんな話を聞かせているのだろう、と自分でも疑問に思いながらも、今更止めるのはおかしい気がして続ける。

< 123 / 381 >

この作品をシェア

pagetop