子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「あの日は父が海外のイベントに呼ばれて家を空けていた。出かけていた母を家で待っていた俺は、帰ってきたところを驚かせようとあの人の部屋に隠れていたんだ」

 母の部屋のクローゼットに隠れ、わくわくしながら彼女の帰りを待っていた。

 やがて物音が聞こえ、飛び出そうとするも、ぎりぎりのところで堪えた。母以外の聞き慣れない男の声がしたからだ。

「夫がいないからって、家に呼び込んでもいいのかい?」

「あの人だって海外にお気に入りの子を連れて行ってるんだから、私を責める筋合いはないでしょ」

 聞き慣れないのは男の声だけではなく、母も同じだった。

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