子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 男性は椀を受け取っても食事をするどころか、じっとりとした視線で私の頭から足の先まで眺めた。

 居心地の悪さと不快感、そう感じてしまった罪悪感で身体が強張る。

「今日のコンパニオンは着物なのかい? 悪くないな」

「すみません、私はコンパニオンではなくて……」

「へええ、蝶の模様が入った着物なのか。よく似合ってるよ」

 男性の手が無遠慮に私の太ももあたりへと伸びた。

 ちょうどその位置に舞う蝶を触ろうとしたのだとはわかったけれど、突然のことに驚いて声も出ない。

「お、こっちにもいる。全部で何匹いるんだい?」

「あ、の……やめてください……」

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