子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 着物の上からとはいえ、いやらしい手つきで撫で回されて黙っているのは耐え難かった。

 でも、消え入りそうな声では届かない。

「この帯が邪魔だなぁ。これさえなければ、もっと探せるのに」

 勝手に帯を引っ張られ、ぎゅっと唇を噛む。

 今すぐ逃げ出したいくらい嫌だが、ここでそんな真似をしても大丈夫なのだろうか。

 もし保名さんの仕事の関係者だったら、私と揉めたせいで迷惑がかかってしまうかもしれない。

 男性の手が腰へ近付き、明らかに感触を楽しんで撫でさする。

 私が我慢すればいい話だ。そうすればトラブルにはならないし、保名さんも困らない。

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