子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 心をリードされた私は、彼に従えばいいだけだった。

 ときどき保名さんの名前を呼んで、そのたびに声を封じるようにキスされて。天にも昇るような心地、とはこういうひと時のことを言うのだろうか。

 ただ、恥ずかしい場所を暴かれるのはたまらなかった。

 見られるのも触れられるのも抵抗があり、彼を止めようと必死に訴えたけれど。

「嫌だ」

 短く余裕のないひと言を返され、あろうことか太ももの内側に唇を押し当てられる。

「ここまで許したくせに、今更止めるな。生殺しだ」

 保名さんは私の両足の膝裏を持ち上げると、浅い息を吐いて私の耳もとに顔を寄せた。

「もう怖がっても止めてやれない」

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