子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 その声は私の濡れた嬌声に紛れてもはっきりと聞こえた。



◇◇◇



 限界まで温度を下げたシャワーを頭からかぶり、激しい後悔と罪悪感にむしばまれながら壁に額を押し付ける。

 俺の妻には男性経験どころかキスの経験さえなかった。

 あんなネグリジェで現れたり、あれを普通だと思い込んでいたり、純粋無垢な振りで誘惑するのが彼女のやり方かと穿った見方をしていたのに。

 それでも彼女を抱いてしまったのは、儚い笑みを思い出したからだ。

 本人に言った通り、俺は彼女の笑った顔に惹かれていた。

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