子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 悪い話ばかり聞いていたせいで、消え入りそうな笑みを意外に感じたのだろうとばかり思っていたが、パーティーで照れた姿を見て目を合わせられなくなった。

 彼女だって世辞だとわかっているだろうに、うれしそうにするところがいじらしくて、これまで勘違いだと信じていた衝動が急に込み上げた。

 冷えた水をかぶってもまったく頭が冷めない。それどころか、先ほどの彼女の甘える声やぬくもりを思い出してますます熱くなる。

 騙されているのならもういい、と半ばやけになって抱いたのは確かだ。

 どうせどこかでボロを出すのだろうと、彼女がずっと真実を語っている可能性については考えなかったのだ。

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