子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 保名さんが私にプレートの上を示す。

 おにぎりが三つと、トーストが二枚。トーストにはバターとマーマレードが塗られている。

 サラダの横には根菜の煮物があった。焼き魚とスクランブルエッグもそれぞれ別の皿によそわれているが、さすがに私でもこれらの組み合わせがちぐはぐなのはわかる。

「余ったのを食うから。どれでも好きなのを選べ」

「……保名さんが作ったんですか?」

 煮物なんていつ作ったのだと思いながら尋ねると、保名さんは首を横に振る。

「自炊はほとんどしたことがない。トーストはうちで焼いたが、他のものは買ってきた。あと、これも冷蔵庫にあったやつだな」

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