子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「謝るな。それと敬語も使うな。さん付けもしなくていい」

「……でも呼び捨てなんて失礼じゃ」

「夫婦なのによそよそしいのもな」

 また疑問を覚えて首を傾げてしまった。

 保名さんはおにぎりを口に運びながら、ぽつぽつと話し始める。

「昨日は悪かったな。あんなふうに無理矢理するつもりじゃなかった」

「無理矢理された記憶はないです。私だって保名さんにしてほしいって伝えたつもりでしたが……」

「敬語」

「あっ、ごめんなさ――ごめ……謝るのもだめでした」

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