子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「自分が最低なのもずるいのもわかってた。でも好きなんだからしょうがないだろ」

 なぜか開き直ったのを聞いて、涙が引っ込んだ。次いでふっと笑ってしまう。

「好きのひと言があったら、最低な人にもずるい人にもならなかったんじゃ……?」

「俺だっていろいろ悩んでたんだよ。好き勝手言うな」

 見ると、保名さんの顔が真っ赤に染まっている。彼が照れる姿はこれまでにも何度か見てきたが、耳まで赤いのは初めてだ。

「開き直るのはどうかと思うの」

「……うるさいな」

「もう一回、好きって言ってくれたらいいよ」

「おまえ、調子に乗ってるだろ」

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