子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 そんなことを考えながら待っていると、琴葉が白い皿を一枚、フォークとともに持ってやってくる。

 縁が金色の皿には、意外なほどまともな形のガトーショコラがあった。

 少なくとも俺の目にガトーショコラ以外のものには見えない。

 形が保てる程度の出来ではあるようだとほっとし、あまりにも琴葉に失礼なのではと若干心配になる。

「上手にできたと思うの。本当だよ」

「別に嘘だと思ってない」

 できたと思う、ということは味見をしていないのだろうか。

 また、心配が頭をよぎる。

「それにしてもガトーショコラか。普段、チョコなんて食わないからな」

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