子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「プチトマトの話をしてるんじゃないだろうな。どう見ても違う種類だろ」

「違うものだったんですね……」

「他に比べれば、目玉焼きはまともそうだな。……いや」

 目玉焼きの乗った皿を引き寄せた保名さんは、つるんとした卵の裏側を確認して眉間に皺を寄せた。

「なんでこんなに焦げるまで放っておいたんだ……」

「ごめんなさい……」

 私の知っている目玉焼きの形にならなかったから、火を強めて表面が白くなるまで待った。黄身の部分もなんとか固まったのを見て、大成功だと思っていたが違ったようだ。

 保名さんは失敗作たちを眺めると、それらの皿を持って立ち上がった。

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