子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「なにに怯えてるのか知らないが、グラスを割ったぐらいで俺が怒ると思ったのか?」
「でも、保名さんのものです、から」
「大げさな。グラスなんていくらでも新しいものを買える。ひとつやふたつなくなったところで、なんとも思わない。……で、手を隠した理由は?」
怒られると思ったからだ、などと言えばますます彼を不快にさせてしまう。
首を左右に振ってからおずおずと手を差し出すと、さっき水で流したはずなのに赤い血が滲んでいた。
「やっぱり怪我してるじゃないか。片付けなんていいから、先に絆創膏でも付けてこい」
「でも、どこにあるかわからないです」
「でも、保名さんのものです、から」
「大げさな。グラスなんていくらでも新しいものを買える。ひとつやふたつなくなったところで、なんとも思わない。……で、手を隠した理由は?」
怒られると思ったからだ、などと言えばますます彼を不快にさせてしまう。
首を左右に振ってからおずおずと手を差し出すと、さっき水で流したはずなのに赤い血が滲んでいた。
「やっぱり怪我してるじゃないか。片付けなんていいから、先に絆創膏でも付けてこい」
「でも、どこにあるかわからないです」