子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 私の視線に気付いたのか、横から弥子が声をかけてくる。

「いろいろなものがあるんだなって思ったんです。こういう下着もあるんですね」

 さすがに下着までおさがりではなかったが、母が用意してくれるものはシンプルなデザインばかりだった。弥子が小学生のようだと笑ったのを思い出す。

「いいじゃん、服よりこういう方が露骨に誘惑できるんじゃない?」

 店内に入るつもりはなかったのに、弥子に腕を引かれて足を踏み入れてしまう。

 スタイルのいいマネキンにあてがわれた数々の下着は、少しだけ目のやり場に困った。

「別に誘惑したいわけでは……。今よりも少しだけ、いいと思ってもらいたいだけなので」

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