追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 そして──軽く柔軟をした後、助走をつけてバジリスクに向かってジャンプした。

「……うっはっ!」

 バジリスクのモフモフの羽毛の中に顔が突っ込んだ瞬間、思わず至福の声が漏れてしまった。

 バジリスクの羽毛は普通の鶏と違って、成鳥になっても硬い羽毛ではなくヒヨコのようなふわふわの羽毛に覆われている。だからプリシラは、いつか実際にバジリスクに出会うことができたら、絶対モフモフしてやろうと心に決めていたのだ。

「……ああ、最っ高……」

 舌の奥が疼くような甘い香りと、暖かく優しい綿毛の感触──

 至上の喜びとはまさにこのことだろう。魔力を帯びているからか、少しチリチリするけれど、羽毛は最高にふわふわだし、なんとも言えない頭がとろけるようないい香りがする。

 こんなふうにプリシラが魔獣をモフモフするのは初めてのことではない。

 討伐隊にいたときは流石にできなかったが、シュラウベの森では暇さえあれば森に住む獣や魔獣に抱きついて顔をフカフカの毛の中に埋めたりしていた。

 危険な魔獣でもプリシラに「触れられれ」ば、無害な動物に変わる。

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