追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 だからどうにか隊を抜けたいと常々思っていたのだが、あのペリュトン事件で罪をなすりつけられたのはある意味「渡りに船」だった。  

「だからあたしたちは、このまま北方領域に向かうことにする!」

 ビシッと指をさすプリシラ。たが、彼女が指差した方角は北ではなく南だった。

 それを見て、色々な意味で不安になったクロエが訊ねる。

「でも、このまま北方領域に向かうにしても、準備はどうするの?」 

「……え? 準備?」

「北方領域は雪に覆われた極寒の地だよ? 何よりも防寒具が必要になるし、長距離の旅をするには色々と物が必要になると思うんだけど」

 お金はシュラウべの森を出る際に幾らか持ってきたし、討伐隊から出るときに簡単な旅の準備はしてきた。だが、北方領域に行けるほどの物資の蓄えはないし、何より防寒具の準備が全くできていなかった。

 プリシラはいくつもポケットがついた大きめのコートを羽織ってはいるものの、動きやすさを重点においた軽装で肌の露出が多い。一方のクロエは旅を想定して肌の露出が少ない服装だったが、寒さを防げるまでのものではない。

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