追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 聖女なんかではないのだけれど、と言いかけたプリシラだがここは黙っておくことにした。

「伝説の聖女ウルスラ様のように剣を使わず、指笛だけで巨大な雄鶏の魔獣を撃退したと聞いたのですが、本当なのですか?」

「ええ。まあ、概ねその通りね。あたしが通りかかってなかったら、その子は魔獣の餌食になっていたでしょうね」

 プリシラは神妙な表情で店主を見る。

 クロエとルルが「餌食になったのはバジリスクだけどな」といいたげな胡乱な目でこちらを見ていたが無視した。

「こ、これは大変失礼なことをいたしました聖女様!」

 店主がカウンターに擦り付けるくらい、深々と頭を下げた。

「部屋は今すぐご用意させていただきます!」

「本当に? それは助かるわ。ついでに旅支度もさせてもらえるとありがたいんだけど?」

「う……申し訳ありません、それだけは」

 しかし店主は渋い顔で俯いてしまう。

 部屋が用意できるなら、買い物もできるのではないかと考えたが、そっちはどうやっても難しいらしい。

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