追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「それにシチーは私の得意料理です! 味は保証します!」

 力瘤を作るパナム。ここまで言われて断るのは流石に悪い気がする。

「……じゃあ、お願いしようかしら」

 瞬間、パナムの表情に花が咲いた。

「やった! それじゃあ、お父さん! 聖女様たちを案内してあげて!」

 パナムは軽い足取りで、キッチンへと消えていく。

 それからプリシラたちはパナムの父親に窓側のテーブルへと案内された。村を訪れた商人に案内している酒場の特等席らしい。

「シチーなんて久しく食べてないから、楽しみだわ」

 パナムが消えた調理場を見ながら、嬉しそうにプリシラが言う。

「そうだね。討伐隊に入ってからは、干し肉とか保存食ばっかりだったからね」

「魔獣の肉が入ってたらもっと良いんだけど……塩漬けにしてるペリュトンの肉をおすそ分けしようかな」

「うん、それだけはやめてね」

 クロエは引きつった微笑みを添えて提言した。

 そんなふたりのやりとりをプリシラの肩の上で見ていたルルは「俺は酒が飲めればなんでもいいけど」と言いたげに「ふわ」と大きなあくびをした。

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