追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「へ、平気平気。この子は普通の猫と違うの」

 猫と呼ばれたことが気に障ったのか、何か反論しようとしたルルの口を押さえつけてプリシラが答える。

 ルルの気を引くためにコップにぶどう酒を注いで置いた。プリシラの肩の上からするすると降りてちょこんとテーブルの上に座ったルルが、ぺろりとぶどう酒をなめる。

 瞬間、ぞわぞわとルルの毛が逆だった。

「うひょ!? こりゃ旨えっ!」

「……ッ!?」

 その声を聞いてその場にいた全員が、ぎょっと身をすくめた。

 しまった、といいたげに目を丸くしたルルがパナムの顔を見る。

「……にゃ、にゃ~ん」

 ルルは愛嬌たっぷりにごろんと寝転がってつぶらな瞳でパナムを見るが、それでごまかせるはずがなかった。

「い、今、しゃべりました……よね?」

「あ~、ええっと」

 パナムだったらルルが精霊であることを話しても良いかと思ったプリシラだったが、彼女が聖道神徒教会の唯一神ムハウの名前を口にしていたことを思い出し、やめることにした。

 聖道神徒教会にとって精霊の存在は「異端」に該当するのだ。

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