追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「この子はなんていうか……そう、魔法で話せるようになった猫なのよね」

 取ってつけたような言い訳だが、プリシラの魔法を目の当たりにしていたパナムはその言葉を信じたようだ。

「へぇ~、そうなんですね! 動物と話せるようになる魔法が使えるなんて、さすがは聖女様です!」

「あ、あはは……ありがとう」

 なんとも複雑な心境になってしまったプリシラは引きつった笑顔を返す。

 それからプリシラは、とても食べ切れる量ではなかったシチーを平らげるためにパナムにもテーブルを囲んでもらうことにした。

 プリシラはそこでパナムのことを色々と聞いた。

 パナムは幼い頃に母親を亡くして父親とふたりでこの酒場を切り盛りしていて、たまに村の教会の手伝いもしているのだという。森で香草を摘んでいたのは教会の手伝いで、街道封鎖によって少なくなりつつある医療品の代わりにするらしい。

 似た境遇のプリシラとパナムは意気投合し、店を出たときにはすっかり夜空に星が煌めいていた。

 パナムにシチーの礼をしてから別れ、用意してもらった部屋へと向かった。

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