追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 プリシラはテーブルに置いていたランタンに火を灯し、椅子にかけていたコートを羽織って入り口へ向かう。扉を開けると小柄な少女が立っていた。

「……パナム?」

「朝早くにすみません、プリシラ様」 

 戸を叩いていたのは酒場のひとり娘、パナムだった。

「どうしたの? こんな早くに」

「あの……こんなお願いをするのは厚かましいとは思いますが、どうか助けてはいただけませんでしょうか?」

「え? 助ける?」

「……はい」 

 何やら言いにくそうに俯くパナム。

 立ったまま聞く話ではないと思ったプリシラは、彼女を部屋の中へと招き入れた。

「あれ? パナムちゃん?」

「お、おはようございます、クロエさん」  

 クロエもプリシラたちの話し声で目を覚ましたらしい。だが、どういう状況なのか把握できずに、ぼーっとパナムのことを見ている。

 そんなクロエにも、念のため同席してもらうことにした。

「実は昨晩、森で魔獣の痕跡が見つかったんです」

 開口一番、パナムはそんなことを言った。

「魔獣の痕跡って、もしかして、ちょめ……じゃなくて、あのバジリスク?」

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