追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「いい? ダイアウルフは白銀の体毛で覆われた神々しくも可愛らしい魔獣なのよ? 特にお腹の毛は暖かくて柔らかくて……そんなところに顔を埋めれば、芳しい香りとふわふわの感触で天にも昇る心地に違いない! そんな貴重な魔獣を狩るなんて、『狩り人のルール』以前に罰当たりな行為よ!?」 

 怒涛のように押し寄せる訳のわかない説明に、パナムは目を白黒させてしまう。

「だから、ダイアウルフはあたしが責任を持って対処するわ! とりあえずモフモフさせてもらって、その後は毎晩寝る前にモフもごっ」

 プリシラはクロエに背後から羽交い締めにされ、口を押さえられてしまう。

「ちょ、何するのよクロエ……っ!」 

「あはは、なんでもないから気にしないでパナムちゃん。とにかく森の魔獣のことは僕たちに任せてよ」

「あ、えっと……は、はい、よろしくお願いします」

 プリシラを必死に押さえつけるクロエを見ながら、パナムは小さく頭を下げる。

 こうしてプリシラは、村の男たちを追って森へ入ることになった。

 ──その胸に、少々不純な動機を抱えて。   



  ◆◇◆



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