追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 プリシラの祈りが終わり、パナムの父親を追って森の中を歩いているとクロエがひとりごちるように呟いた。ルルがプリシラの頭の上から訊ねる。

「ん? 何か気になることでもあるのか?」 

「パナムちゃんから聞いたときは魔王の先兵として南下してきた可能性があるかなと思ってたんだけど、それにしては無計画すぎるんじゃないかなって」

「無計画って、相手は魔獣だろ? 計画性なんてそもそも持ち合わせてないんじゃねえか?」 

「いや、そんなことはないと思うよ。噂では魔王には『将軍』とか『参謀』って呼ばれている側近がいるらしいんだ。だから行き当たりばったりでは動いていないはずなんだよね」

「へえ、そうなんだ。行き当たりばったりじゃないって、どっかの魔導師とは大違いだ……うぎゃっ」 

 プリシラが頭の上から見下ろすルルのほっぺをぎゅっと摘んだ。

「ていうか、魔王とかそんな話は別にどうでもいいでしょ」

 ふん、とプリシラが胸を張る。

「理由はなんであれ、ダイアウルフが現れたのは間違いないんだから、しっかりとモフモフしてあげなきゃ!」  

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