追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「それに、あたしが使える魔法に魔獣を呼び寄せる効果があるものはないわ。魔獣を魅了できるテイム能力だって触覚魔法だし」

 プリシラのテイム能力は、魔法の分類では相手に触れてはじめて効果が現れる「触覚魔法」にあたる。触覚魔法は「獣避け」や「獣止め」のように香りや音を媒体とする魔法と違い、遠くにいる相手に対しては何の効果も発揮しないのだ。 

「だから魔獣が近づいてきてたのは絶対ローエンのせいで……う、わっ!」

 そのとき、突然、森の中を強烈な突風が走った。

 突風というより、渦を巻くような衝撃と言った方が正しいかもしれない。

 その衝撃はあたりの草木を薙ぎ倒し、プリシラたちの後方に通り抜けていく。咄嗟に踏ん張ることができたプリシラはなんとか耐えることができたが、クロエは後方に吹き飛ばされてしまった。

「クロエ!? 大丈夫!?」

「へ、平気。転倒しただけだから」

 立ち上がるクロエを見て、ホッと胸を撫で下ろすプリシラ。

 ふと、周囲の空気にピリピリとした静電気のようなものが滞留していることに気づく。その現象は魔法を使うプリシラには馴染みがあるものだった。

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