追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「俺が動きを止めるから、さっさとテイムしろっ!」 

 ルルが「絡めっ!」と叫び、ふさふさの尻尾がぼわんと膨れ上がった瞬間、ダイアウルフの足元からいくつも蔦が伸びはじめた。

 ダイアウルフが驚いて飛び退けようとしたが遅かった。地面から生えた蔦は、まるで生きているかのようにダイアウルフの四肢に絡んでいく。

 ルルが放ったのは聴覚魔法。声を媒体にして森の植物を操作したのだ。

 ルルは可愛い見た目をしているが「聴覚」「視覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」の五大魔法全てに精通している魔導師でもあるのだ。

「……ガウッ!」 

 ダイアウルフは足に絡みつく蔦を必死に食いちぎろうとするが、次々と生えてくる蔦の前に次第に身動きが取れなくなっていく。

「ほら、行けっ!」 

「ルル、ナイスっ!」 

 プリシラは助走をつけて崖を登ると、ダイアウルフの背中に向けて空中にダイブした。

 そして──嬉々とした表情で、フカフカの白銀の体毛の中に飛び込む。

「ふわっ」

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