追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「当たり前でしょ。歩いて探してたら日が暮れるわ。ほらさっさと乗って」

「……うう、バジリスクの次はダイアウルフか……」

 ダイアウルフの背中によじ登りながら涙を浮かべるクロエ。世界は広しといえども、これほど頻繁に魔獣に乗る人間なんているのだろうか。

 ふわふわとした毛に右往左往しながら、クロエがようやくプリシラの背中に捕まった瞬間、プリシラの「走って!」の号令でダイアウルフが駆け出した。

「うわっ!」

 急発進したせいで、クロエは危うく転落しそうになってしまう。

 だが、クロエ以上に驚いていたのはプリシラだった。

 彼女もまた、ダイアウルフに乗るのは初めてなのだ。

 風になるとは、こういうことを言うのかもしれない。振動や足音は一切なく、まるで飛んでいるかのように森の中を疾走していく

 網の目を縫うように森の木々をすり抜け、急角度の崖を駆け降り、森の中を流れる小川を飛び越えたとき──プリシラの目に白い影が見えた。

「いたっ! ダイアウルフの群れ……っ!」

 その光景に、プリシラは思わず息を呑んでしまった。

 こんな光景は今まで見たことがない。

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