追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 すぐに男の隣にいたパナムの父親がダイアウルフの背に乗るプリシラの姿に気づいた。

「ど、どうしてプリシラ様がここに……というより、なぜ魔獣に乗って──」 

「そんなことはどうでも良いでしょ! 皆で怪我人を守って! 真っ先に狙われるわよ!」 

「し、しかしプリシラ様は!?」  

「あたしはリーダーを鎮めるわ!」

 プリシラのテイム能力は確実に魔獣を魅了状態に陥らせることができるが、相手の体に触れなければ効果は発動しない。

 つまり、同時には二匹までしかテイムすることができず、残ったダイアウルフから攻撃を受けてしまうことになる。

 故にプリシラは、まずリーダーをテイムするしかないと事前に考えていた。

 群れの中心的存在であるリーダーをテイムすれば、群全体を操ることが可能になる。

 だけれど、問題は──

「どのダイアウルフがリーダーか、わかるの?」 

 プリシラの背中にしがみついているクロエが訊ねてきた。

 取り囲んでいるダイアウルフは大きさも変わらず毛並みも同じ。パッと見たところ、どれがリーダーなのかはわからない。

「もちろん」 

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