追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「『狩り人の教え』に背けば、手酷いしっぺ返しを食らうことになるわ」

「狩り人の……教え?」

「人間が森で生きるためのルールよ。ひとつ『食べるためだけに狩る』、ひとつ『必要以上に狩らない』、ひとつ『狩った命に感謝して、報恩する』」

 獣を狩って生きているからこそ、狩るためのルールを作らなければならない。たとえ相手が魔獣であろうと、ただ狩り続ければ生態系のバランスを崩してしまう。そうなれば、回り回って自分たちの首を絞めることになるのだ。

 パナムの父親が言いにくそうに訊ねてくる。

「でもプリシラ様、そいつらを放っておけば村に被害が及ぶかもしれません」       

「大丈夫よ。もともとこの子たちはずっと北に住んでる魔獣なの。ちゃんと言い聞かせてあげれば、ここから立ち去るわ」

 ──というのは建前で、これからの旅に連れいていくつもりなのだけれど。

 そう心の中で囁いたプリシラは、ダイアウルフたちに「いいよね?」と首を傾げて見せる。

 彼らは嬉しそうに小さく吠えると、プリシラの顔をぺろりと舐めた。

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